2015.10.27更新

特定空家所有者に対して行われる助言や指導を受けても放っておいたらどうなるのでしょうか?助言や指導を受けても改善しなければ、猶予期限を付けて改善するように勧告します。勧告くらいならば、まだ何もしなくて大丈夫なのでしょうか?ところが、勧告の対象になると、後述する固定資産税の特例対象から除外されます。つまり、助言や指導の時点で市町村がペナルティーを出す一歩手前と考えなくてはなりません。勧告にも従わず改善されないと猶予期限を付けて改善命令が出されます(14条Ⅲ)。このとき、対象者には意見を述べる機会(意見書や意見聴取)や自己に有利な証拠を提出する機会が与えられるので、どうしても改善できない理由があるなら、この機会を利用して陳述や証拠を提出することができます。その後、改善命令の猶予期限を過ぎても改善を完了できないと、いよいよ強制対処となります。ここで注意しなければならないのは、命令を受けて改善に着手すれば良いのではなく、猶予期限までに改善を完了しなくてはならないという点です。強制対処について定められた規定(14条Ⅸ)は、「~その措置を命ぜられた者がその措置を履行しないとき、履行しても十分でないとき又は履行しても同項の期限までに完了する見込みがないときは」と強制対処することができるとしています。そして、履行しない等と認定されると、行政代執行法の定めるところに従い、市町村自ら義務者のなすべき行為(建物解体等)をし、又は第三者をしてこれをさせることができます。このように、改善命令を無視した場合、改善に着手しても不十分な場合、改善が猶予期限までに完了の見込みがない場合のいずれでも、市町村は強制対処が可能です。つまり、「やっているフリ」では許されない厳しい規定になっているのです。

 

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投稿者: 今村法律事務所

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