2015.09.24更新

派遣労働ってパートやアルバイトと比べると時給が高いのですが、パートやアルバイトとはどう違うのでしょうか?一般的な労働契約(正社員、アルバイト、パート)は、企業(使用者)と労働者が直接労働契約を締結して、使用者の職場で使用者の指揮命令を受けて労働します。このように、労働契約は直接契約が基本であり、本来、何人も労働者を供給する事業を行い、又はその労働者を供給する事業を行う者から供給される労働者を自らの指揮命令の下に労働させてはなりません(職業安定法44条)。これは、職業仲介者による不当な中間搾取を招かないためです。ところで、派遣労働は労働者を供給する事業等を禁止した職業安定法の例外です。派遣労働では派遣元とよばれる派遣会社と労働契約を締結します。しかし、一般的な労働契約と異なり、働く場所は派遣会社ではなく、派遣会社が労働者を派遣する契約を結んだ会社(派遣先)になります。そして、労働者は、派遣先で派遣先の指揮命令を受けて働き、賃金は派遣会社から支払われます。派遣労働は、以前は、通訳やアナウンサー、秘書など専門性の高い業務だけに認められていました。つまり、高度専門的な技能を有する労働者を必要な時期に雇用したいと考える企業(使用者)がある一方で、一般の雇用制度にとらわれず自己の能力、都合に合わせて働きたいと考える労働者が存在したため、両者ニーズがマッチし、人材派遣業という両者を仲介する業務が成立したのです。しかし、現在では港湾や建設業務など一部を除き、ほぼ全ての業務に派遣が認められるようになりました。なお、派遣元の会社はいろいろあり、登録する派遣会社の選び方に注意が必要です。企業研究をして就職先を選ぶように派遣会社にもそれぞれ特徴がありますので、公開されている企業データや口コミ情報を参考にして派遣会社を選択しましょう。データには①その会社の派遣労働者数②派遣料金の平均額③派遣労働者の賃金平均額④マージン率などがあります。また、口コミ情報には、①自分が希望する職種(事務、販売、アパレルなどに強い)に強いとか②大手企業に派遣先が多いとか③サポート体制がしっかりしている④未経験者歓迎など,さまざまな情報があります。このようなさまざまな情報を研究しても自分に合った派遣会社を選択する必要があります。

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投稿者: 今村法律事務所

2015.09.10更新

東京・歌舞伎町のホストクラブで働いていた20代の男性が、未払い賃金の支払いなどを店に求めた訴訟で、東京地裁は、店と男性に労働契約があったと認め、約176万円の支払いを命じる判決を言い渡したそうです。男性は平成24年12月から歌舞伎町のホストクラブに勤務していたところ、男性が客へのつけを回収できないとして25年1月分から給与が支払われなくなり、同5月に勤務態度を理由に一方的に解雇されたといいます。店側は「ホストは完全歩合制の個人事業主なので、労働契約はない」と主張しましたが、裁判所は「仕事の全般にわたり、店から指揮監督を受けていた」としました。裁判所がホストを個人事業者ではなく労働者とすることは珍しいそうです。ところで、たとえば、ホストやホステスなどの接客業の仕事に従事していたとき、不幸にも交通事故の被害者になったとします。症状固定時に頭部外傷後の高次脳機能障害(7級4号・労働能力喪失率56パーセント)が残存したような場合、後遺障害逸失利益の算定はどういう考え方によるのでしょうか?これについては、症状固定後の稼働状況などの事実関係が重要になってくるようです。すなわち、症状固定後に接客業に復職した後,交通事故前と同じように接客したり飲酒したりすることはできる場合、接客業に従事する者としての労働能力については、事故前と比較して必ずしも大きく労働能力を喪失したということはできないと認定されることになります。たとえば、30歳で交通事故に遭い、32歳の時に症状固定時に頭部外傷後の高次脳機能障害(7級4号・労働能力喪失率56パーセント)が残存したような場合でも、ある年齢(35歳)をもって接客業を辞めた場合,接客業としての労働能力は14パーセント(12級相当)喪失したとされる一方,35歳で辞職した後から67歳までは労働能力を56パーセント(7級相当)喪失したと判断されることがあるのです。

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2015.09.08更新

リーマンショック以降、ネットを使って収益を得る人が増え始めているそうです。実質賃金が上がらないなか、働き方が多様化していることも相まってインターネットを使った収益事業に注目が集まっています。自分のブログに広告を載せて収入を得る「アフィリエイト」、ネット経由で業務を請け負う「クラウドソーシング」、個人がネット上で店舗を開き、業者が用意した商品を販売する「ドロップショッピング」など、ネットを使って収益を得る方法もさまざまです。ただ、本業は別にあり、ネット上の収益事業は副業としてされている方も多いと思います。会社員の場合、一般的に副業を禁じるような法の定めはありません。就業規則で禁止されている場合、本業に影響が出れば懲戒の可能性もあります。ただ、会社から帰宅後に空いた時間にネット事業をする場合のように、ネット副業が影響を与えるケースは少ないでしょう。ただし、業務上知り得た秘密を漏洩したり,会社の業務と競合するようなことをしたりして会社に損害を与えた場合は、重い懲戒処分もありえるでしょう。このように、ネット副業は比較的お手軽なために家計のやりくりのために始める方もいますが、本業との関係には常に注意する必要があります。

 

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2015.09.07更新

アパートやマンションなどの賃貸物件を借りる際、家賃の2~3か月分程度の敷金が必要とされることが多いと思います。ところが、退去時に敷金が全く返ってこなかったり、ひどい例になると、ハウスクリーニング、クロス張り替え、畳表替えなどの原状回復費用として敷金以上の金額を請求されたという相談を受けることがあります。今までは、国土交通省のガイドラインなどを参考にして対応していましたが、ガイドラインは遵守しなくとも罰則等はありませんでした。改正民法案622条の2は敷金に関する規定を定めています。改正民法案では、敷金を「賃料債務その他の賃貸借に基づいて生ずる賃借人の賃貸人に対する金銭債務を担保する目的で、賃借人が賃貸人に交付する金銭」として、賃貸借が終了しかつ賃貸物の返還を受けたときは、賃借人に対し、その受け取った敷金の額から賃貸借に基づいて生じた賃借人の賃貸人に対する金銭債務の額を控除した残額の敷金の返還義務を規定しました。

 

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