2015.06.17更新

株式会社においては,「多額の借財」は取締役会の権限とされており,「代表取締役に委任することができない」とされています(会社法362条4項2号)。つまり,代表取締役が取締役会にかけずに多額の借財をすることを決定しても無権限で行ったことになります。もっとも,会社法においては,株式会社の機関を自由に設計できます。そこで,株式会社といっても,そもそも取締役会が設置がされていない株式会社もあります。まず,委員会設置会社では,取締役会は「多額の借財」について執行役への委任することが可能です(会社法416条4項)。また,取締役設置会社においても,特別取締役による決議が許容されています(会社法373条)。
以上のとおり,現行会社法のもとでは様々の形態の機関をもった株式会社が存在するため,株式会社に多額の貸し付けをする側(金融機関)も貸付先の株式会社の機関がどのようになっているかを商業登記や会社定款によって確認する必要があります。そして,会社の機関がどのようになっているのか等に応じて無権限での借入でないことを裏付ける資料の提出(取締役会議事録,特別取締役会議事録等)を求めることになります。

 

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投稿者: 今村法律事務所

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