2015.05.12更新

裁量労働みなし労働時間制は、実際に働いた時間の如何にかかわらず一定の時間だけ労働したとみなす制度です。ですから、「残業隠し」「残業時間削減」のための隠れ蓑として利用され、長時間労働に結びつく恐れもあります。また、会社が正確な労働時間を把握しないことになり、長時間労働により過労死した場合等に、過労の認定の重要な判断材料となる労働時間についての資料が不明確になるという問題点があります。裁量労働制下で証券アナリストとして勤務していた男性労働者が心疾患で亡くなった事件で、三田労働基準監督署は男性の発症前1か月の残業を133時間、発症前2から6月の平均残業時間を108時間と認定し、労災認定しました(なお、過労死の労災認定は、直前の1か月の残業が100時間を超えるか、発症前2から6カ月の残業時間が月平均80時間を超えることが基準です。)が、男性労働者が発信したリポートの発信記録等から労働時間を推測できたためであり、労働時間が不明確であいまいな裁量労働みなし労働時間制の下では極めて異例であるといえるでしょう。

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投稿者: 今村法律事務所

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