関西電力高浜原発3,4号機の差し止めを求めた仮処分申立で,福井地裁は再稼働を認めない決定を出した(平成27年4月14日)。同原発については,原子力規制委員会が実施する安全審査に合格していたが,仮処分決定は審査の基準自体が甘いと厳しく指摘した形にとなった。仮処分決定の背景にあるのは,原発の危険をゼロにしない限り,あらゆる再稼働を認めないということでしか住民の安全は守れないという考えであろう。地震が頻発する国に住む者としてこれまでの原子力発電との付き合い方に警鐘を鳴らす決定として大いに評価したい。また,福井地裁決定の論理は後続の川内原発差し止め裁判等にも妥当するので,後続の裁判も注意深く見守ってゆきたい。