2015.08.25更新

法定利率は、利率についての約定がない場合に適用される利率です。金銭債務の不履行による損害賠償(民法419条1項)、契約解除時の金銭の返還(民法545条2項)等、適用場面が多い規定です。この改正案が実現することにより、これまでと利息の授受金額に差が生じるという直接的な影響があります。それだけでなく、損害賠償金額や損害保険料の上昇をもたらすのではないかとの予測もあります。それは以下のような理屈です。すなわち、交通事故により被害者が死亡した場合に被害者遺族が加害者の保険会社などに損害賠償を請求するとします。被害者遺族は、被害者が将来得られたであろう利益(逸失利益)から不要となった生活費を控除した上で、将来にわたって被害者が受領すべき損害賠償金額を先んじて全額受領することになります(賠償金額=逸失利益-将来の生活費)。その際、被害者遺族は、将来発生すべき法定利率を差し引き現在価値に計算し直した金額を受領することになります。とすると、法定利率が下がる場合、差引金額も下がることになるため、被害者の受領する金額が結果的に上昇することになります。そして、被害者に支払う賠償金額が上昇するという影響を受けて、損害保険の保険料が上昇するのではないかということも考えられるのです。

 

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投稿者: 今村法律事務所

2015.08.17更新

テレマティクス保険では、車両に通信システムを設置して位置情報や速度ハンドルやブレーキ操作などの情報を収集します。そのため、テレマティクス保険のデメリットとしては、個人情報ともいえるドライバーの走行データが保険会社に丸わかりになってしまうことが挙げられます。また、テレマティクス保険が普及すると、事故リスクが低いドライバーは、保険料が安くなるテレマティクス保険に加入し、事故リスクの高いドライバーは既存の自動車保険に加入せざるをえないという二極化することが予想されます。とすると、既存の自動車保険は、現在よりも高い保険料に設定されてしまう可能性があり、その結果として現在の若者の自動車離れが問題になっていますが、自動車離れでなく自動車保険離れが起きるのではないかと懸念されています。とはいえ、テレマティクス保険が普及すれば、社会から交通事故そのものが減る可能性も高くなります。誰にとってもメリットとなりますね。日本での導入が今後どのように進んでいくのか、注目したいところです。

 

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2015.08.17更新

テレマティクス保険のメリットは、なんと言っても、安全運転等をすれば保険料を安く抑えられることでしょう。走行距離が短くなったり、アクセルやブレーキの操作が穏やかで安全運転をしている場合、交通事故のリスクは減少し保険会社が支払う保険金の額も少なく済む可能性が高いため、保険会社も保険料を安く設定できるのです。つまり、保険会社もドライバーもウィン-ウィンの関係を築くことができるということです。また、運転者が安全運転することで結果的に交通事故は減るというメリットもあるでしょう。テレマティクス保険の先進国である英国の保険会社では、17~21歳の加入者の事故率が、なんと75%も低下したという事例が報告されています。また、情報が蓄積されることで、中古車として市場に出る場合に、車の経歴や素性が第三者でも明確に把握できることにつながり、自動車取得時の手続きが簡略化されるといったメリットも考えられます。

 

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2015.08.13更新

テレマティクス保険が新たな任意保険として注目を集めています。テレマティクスとは、自動車などの移動体に通信システムを組み合わせてリアルタイムに情報サービスを提供することで、テレコミュニケーション(通信)とインフォマティクス(情報工学)を合わせて名づけられています。国土交通省HPによると、このテレマティクスを利用する保険がテレマティクス保険で、リアルタイムに提供する運転情報をもとに保険料を算出する保険です。PAYD(PayAsYouDrive走行距離連動型)と、PHYD(PayHowYouDrive運転行動連動型)の2種類があります。走行距離や運転特性(急アクセル・急ブレーキなどのアクセル・ブレーキの踏み方、ハンドリングなど)といった運転者ごとの運転情報を取得・分析し、その情報をもとに保険料を算出する仕組みです。運転情報は、車に設置するブラックボックスやドライブレコーダーなどの通信機器などを用いて収集します。国土交通省は「リスクに応じた詳細な保険料設定により、安全運転の促進の効果及び事故の減少効果がある」とし、2014年から重点テーマのひとつとして掲げています。すでに欧米では①認知度の向上②保険料の減額効果③保険料算定における公平感の高まりなどの理由によりテレマティクス保険の導入が進んでいて、2020年には契約件数の約3割を占めると予測されています。

 

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